2020年春、私たちは変化の激しい環境の中でも生き抜いていくために不足している知見や視座の獲得を目的に慶應義塾大学大学院経営管理研究科 (KBS) へ入学しました。しかし同時期に発生したコロナウイルスによるパンデミックは環境変化のスピードをさらに加速させ、感染予防の観点から生活のいたるところで非日常が常態化し始めました。様々な情報が錯綜し、何が正しくて何が間違っているのかも誰も分からないといった非日常の連鎖で、パンデミックの終息という未来が見通せず私たちはただ適応していくことばかりを考える日々が続きました。また日々増加する感染者数に、私たちは自身や自身の大切な人たちの命が脅かされるではないかという心理的な不安を常に抱え続けることも常態化していました。
そんな中、KBS の授業である「ビジョナリー」では、バックグラウンドの違う仲間たちが集う場となりました。私たちは、様々なしがらみや常識、バイアスを振り払って、望ましい「未来」や「幸福」、「地球」にとって良い「大儀ある未来」とは何かを描き続けました。そしてこのビジョナリーは私たちにとって、現実の世界の閉塞感を打ち破る思考の起爆剤の役割を担ってきました。
このパラダイムシフトの狭間で共に学ぶ事になった Executive MBA 6期生の52名は、現実の延長線上にある未来をただ受け入れるのではなく、自身の望む未来を作り上げていくことを選びました。それは、過去に存在し得ない「生物」と「地球」の新たな理想の関係です。私たちの描く「大儀ある未来」は現実離れしているように感じられるかもしれません。しかし、理想の未来を描きバックキャスティングすることで、「大儀ある未来」の実現という目的に沿って現実の様々な課題解決が促され、私たちの望む未来を切り拓いていくことができるようになるのです。
誰もが必要とされ誰もが心豊かにお互いを認め合って手を携えながら生きられる世界を思い描き、人間の「エゴではない自分らしさ」が調和した世界を2年間模索してきました。その集大成をここに記すので、是非ご一読ください。
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